書評欄の代わりに、今週中に読める無料の公的資料を3点選んだ。読む順番と、読んだあとにやることを添えている。
通常号の書評欄の代わりに、今号は「今週中に読める公的資料」を3点選んだ。いずれも無料で公開されており、専門家向けの技術文書ではなく、経営者と現場の担当者が一緒に読める水準で書かれている。読む順番と、読んだあとにやることを添えた。
今回の一連の被害を受けて出された、もっとも短く実務的な資料。「速やかに行うべき点検」として、外部に公開しているアプリケーションの精査、利用している外部サービスの洗い出し、保有データの再点検を挙げ、点検で異常がなくても取り組むべき対策を、外部公開アプリ・外部サービス・保有データの三つに分けて並べている。末尾には、経営者が認識すべき3原則と、中小企業向けの施策がまとまっている。
https://www.ipa.go.jp/security/security-alert/2026/alert20261009.html
経営者が認識し実施すべき指針と、社内で対策を実践する手順をまとめた定番の手引きの最新版。第4.0版では、はじめに取り組む「情報セキュリティ5か条」に「バックアップを取ろう!」が加わり6か条になった。付録3「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」(8ページ)と、付録8「中小企業のためのセキュリティインシデント対応の手引き」(8ページ)は、本編より先に読んでよい。
個人データを預かる事業者として何を求められるかを、監督官庁の側から示した資料。注意喚起は、技術的安全管理措置を「アクセス制御」「アクセス者の識別と認証」「外部からの不正アクセス等の防止」「情報システムの使用に伴う漏えい等の防止」「不正アクセス等の検知等」の五つに分けて確認と見直しを求め、不要になった個人データの消去にも触れている。WARNINGは、脆弱性の放置、不正ログイン、グループ会社やクラウドサービス、APIの悪用など9つの事例を収める。
技術担当者や制作会社と話すときは、JPCERT/CCの注意喚起「直近で相次いでいる国内組織における不正アクセスに関する注意喚起」(2026年10月8日公開・10月23日更新)が共通の言葉になる。確認されている攻撃手法がケースAからEに分けて示され、API経由のアクセスへの対策と汎用的な対策が並んでいる。経営者が全文を理解する必要はないが、「この注意喚起の対策のうち、うちに当てはまるものはどれか」と尋ねることはできる。