何が
起きているのか
自社のサーバーは無事でも、預け先が破られれば顧客の情報は外に出る。メールの一斉配信、予約、会員管理、決済——中小企業ほど、顧客の情報を外のサービスに預けて仕事をしている。預け先が破られたとき、顧客に説明するのは自社である。
JPCERT/CCは2026年10月8日の注意喚起で、直近2026年9月前後に国内組織への不正アクセスによる個人情報等の漏えい被害が相次いでいると伝えた。IPAは翌9日、公表事例の傾向から、外部に公開しているアプリケーションやサービスの侵害、アカウントの侵害が起点になっていることがうかがえるとして、速やかに実施すべき点検を示した。
10月末に表面化したメール配信サービス「アララメッセージ」への不正アクセスでは、提供元の第2報(11月2日)によれば、契約企業の環境から約7,700万件のメールアドレスが持ち出された(精査中)。配信を委託していた企業は、自社の名前で顧客への説明を始めている。
01一社への侵入が、数百社の顧客へ
アララは第2報で、第三者がサービスのサーバーに不正にアクセスし、そこを経由して多数のサーバーに侵入したとしている。持ち出しが確認されたのは契約企業の環境のサーバー97台、対象企業は推計で最大約380社。預かっていたアドレスへは、配信基盤からクレジットカード会社を装う不審メールが最大約713万通送られた。
02説明するのは、委託した側
個人情報保護法第25条は、個人データの取扱いを委託する事業者に、委託先への必要かつ適切な監督を義務づけている。カカクコムは11月5日、利用者のメールアドレス約570万件の漏えいを公表し、別の委託先へ切り替えるとした。委託は、責任まで外に出せる仕組みではない。
03今日、経営者が決めること
顧客の情報をどこに預けているかの一覧を今日中に作らせること。そして、万一のときに誰が何を判断するかを決めておくこと。具体的な手順は「今日から72時間でやること」と「自社が当事者になったら」にまとめた。
- JPCERT/CC「直近で相次いでいる国内組織における不正アクセスに関する注意喚起」2026年10月8日公開・10月23日更新。https://www.jpcert.or.jp/at/2026/at260030.html
- IPA「不正アクセスによる漏えい等の事案を踏まえ、速やかに実施すべき対策等について」2026年10月9日。https://www.ipa.go.jp/security/security-alert/2026/alert20261009.html
- アララ株式会社「アララメッセージ」への不正アクセスに関する公表資料(第2報)2026年11月2日。https://www.arara.com/dcms_media/other/arara_20261102__.pdf
- 株式会社カカクコム「業務委託先への不正アクセスに伴う当社サービスをご利用いただいているお客さまのメールアドレス漏えいについて」2026年11月5日。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001064.000001455.html
- 個人情報の保護に関する法律 第25条(e-Gov法令検索で確認)。https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000057